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割れ窓理論


『割れ窓理論』とは?

アメリカの犯罪学者 ジョージ・ケリング博士が提唱した理論で、「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」という考えです。

1枚目の窓を割るのは抵抗がありますが、割れている窓が1枚あると他の窓を割るときの心理的抵抗が非常に少ないもの。非社会的・非道徳的なことが『放置』されていると、モラル低下につながるのです。だから、犯罪の芽を小さいうちに摘み取ってしまおうというもの。

治安の悪かったニューヨーク市では地下鉄の無賃乗車や落書きを「割れ窓」に見立て、これらを徹底的に取り締まった結果、劇的に犯罪が減ったとされています。また、ビジネスにも活用されており、あのスティーブ・ジョブスも業績不振に陥っていたアップル社に復帰した際に、この理論を利用し働く環境を徹底的に変えたそうです。

賃貸管理にも応用する

共用部の汚れ、ゴミや不要物の放置・・・

軽微なものだと放置しまいがちですが、「みんながやっているから私も・・」という連鎖的な心理が働き、次第に多くのゴミが捨てられるようになってゆくのです。次々と周囲に伝染してしまい、最終的にはそれがあたりまえの状態に。

小さなルール違反を早いうちに取り締まっておくことで、物件の雰囲気や入居者のモラルが大きく低下することを未然に防ぐことができるというわけです。

入居者の満足度を上げることも「退去防止対策」のひとつです。長期入居に必要なのは普段の住み心地。住み心地のよい物件をつくるためには、エントランスや廊下などが清潔であることが絶対条件であることはいうまでもありません。

実際にあるこんなルール違反

管理会社がルール違反を安易に黙認してしまったり、放置してしまったことで状況が悪くなったケースです。

札幌市内の賃貸住宅で見つけました。

 
【ケース1】札幌市豊平区 木造アパート



(物件の横にゴミが散乱)

物件の前はきれいでも、ちょっと裏手に行くとゴミが散乱しています。このような状況は意外と少なくないのです。

なんだかゴミがゴミを呼んでいる状況に見えませんか?

敷地内の清掃はエントランス周りだけなど、清掃の仕様に問題があるかも知れません。管理会社がこのような状態を把握していない、把握していても問題視しないようであれば、管理会社の資質に問題があるのではないかとも思ってしまいます。本当に物件の巡回はしているのかと疑問もわきます。

入居希望のお客様がこの状況を見たら決めることはないですし、賃貸の仲介店も二度とお客様を連れてきてはくれないでしょう。


 
【ケース2】札幌市中央区 RC賃貸マンション



(駐車場に置かれた不要物)

駐車場に古いレテビやパソコン、イスなど不要物がびっちり並んでいます。古くからこの物件に出入りしている掃除のおじさんに聞いたところ、管理会社が一度片付けたそうですが、また少しずつ増えていったそうです。特定の入居者のものではなく、どうやら物件外からも持ち込まれている可能性があるようで、物件の内外に広く粗大ゴミ捨て場として認知されてしまっています。


 
【ケース3】札幌市中央区 RC賃貸マンション



(屋外階段下に詰め込まれたゴミ)

屋外階段下のデッドスペースにゴミが押し詰められています。ゴミ収集日までに保管しておく隠し場所なのでしょうか?


 
【ケース4】札幌市豊平区 RC賃貸マンション



(入居者の物置代わりに使われる廊下)

廊下に入居者の私物が山積みになっていますが、一時的に置かれたものではないようです。どうやら特定の入居者のもののようですが、最初からのこの量ではなかったはずです。事情はどうあれこれを見たほかの入居者は「廊下は物置代わりに使っていい」と思っても不思議はありません。

これは極端なケースですが、どこの物件でも子どもの自転車やベビーカー、傘に古新聞、タイヤなど… 共用部である廊下に私物を置くという問題は大なり小なりあるのが実情です。廊下・階段などの共用スペースに、私物を置くことは消防法により禁止されています。通行の妨げとなるのはもちろん、地震や火災などの緊急時には避難経路が狭くなり、非常に危険です。


 
【ケース5】札幌市白石区 木造アパート



(収集されなかったルール違反のゴミ)


市の指定ゴミ袋に入れて捨てなければならないのにコンビニの袋に入れて捨てたり、このくらいはいいだろうと可燃ゴミの中に不燃ゴミを混ぜて捨てる人がいたり、ルール違反のゴミは後を絶ちません。ルール違反のゴミは収集してくれませんので、私たち管理会社が指定ゴミ袋に入れなおしたり、ゴミ袋を開けて分別しなおしたりして持っていってもらえるようにするのです。どこの物件でもあることで、どこの管理会社も頭を悩ませているのではないでしょうか。

 

賃貸管理会社の役割とは

管理会社はルール違反にどのような対応を取るのでしょう。

基本的には注意文を掲示したりポストに投函などの啓蒙活動をするのですが、そのくらいではルールを守ろうとはしませんので、なかなか改善には至りません。巡回を密にしたり、場合によっては監視カメラを設置したりして応戦するのですが、力技には限界があります。

イソップ童話の「北風と太陽」という話ではありませんが、北風のように強引に規則でしばるのではなく、地道にキレイを維持することで「汚したら申し訳ない」と思ってくれるような環境を作ることができればと考えております。

(賃貸管理部  五十嵐)